瀬尾の作業場

発達障害児むけ絵本製作と、育児に役立ったもの

視覚優位の子向けの手作り絵本教材(チュートリアル絵本)

自閉症スペクトラム疑いの子どもの育児をする上で必要に迫られ(とはいえ多少の趣味を兼ねて)、絵本型の教材を製作しています。チュートリアル絵本と名付けました。製本直送.comで販売しています。もしよかったら見ていただけると嬉しいです。

▼ 販売ページ ▼

www.seichoku.com

 

チュートリアル絵本とは

視覚優位の子どもに、絵とストーリーで物事をわかりやすく伝えることを狙いとした絵本教材です。ソーシャルスキルや生活の自立などをテーマとしています。言葉での説明が伝わりにくい自分の子どもに、親として伝えたいことを伝えるために作りました。

例えば、これは「話しかけられても無視してしまう」という課題があり作った絵本です(抜粋)。

絵本のサンプル画像

このように「こんな時はどうすればいいのか」を伝えることを狙いとしています。

チュートリアル絵本をつくった経緯

うちの子は視覚優位であり、絵でものごとを説明するとスっと伝わります。伝えたいことが描かれている絵本をいろいろと探しましたが、既製品でピッタリのものはなかなか見つかりませんでした。そして、「これは自分で作ったほうが早いな?」という結論に至り、絵本を作るようになりました。ということで、個人的なものではあるのですが、過去の私のように探している人がいるかもしれないなと思ったので、販売させていただくことにしました。

全ページ立ち読み可

作者である私は心理や発達の専門家ではないので、内容を見て「自分の子どもにこれを伝えたい。親である自分が子どもに説明するにあたり、この説明の仕方で違和感がない。」と思った人に買っていただくのがいいんだろうな、と思いました。なので、小さめの画像ですが、全ページ立ち読みできるようにしてあります。

あと理由はもう1つあって、あくまで私が自分の子ども用として作ったものだからです。発達障害等により視覚優位である子どもに向けた絵本ではありますが、周知のとおり十人十色といいますか特性の出方が人によって違います。立ち読みしてお子様にマッチしていそうかをご確認いただければと思います。

チュートリアル絵本の仕様(体裁)
  • 全ページフルカラー
  • サイズ:18.2cm×18.2cm(B5の短辺の幅の正方形)
  • 中綴じ(ホッチキス)製本
  • 委託しているオンデマンド印刷ベンダー(製本直送.com)のサービスで選べる範囲内で、厚手の紙を選んでいます。
  • ページ数は少なめ、かつ原則1冊につき1テーマになっています。
  • ほとんどをひらがなで記述していますが、基本的には親御さんが読み聞かせることを想定しており、少しのカタカナを含んでいます。
 
販売中のタイトル

いくつか自分の子に作成済のものがあるのですが、ひとまず我が家で一番活躍したものを調整して販売します。

▼「はなしかけられたら、どうするの?」
話しかけられても無視してしまうという課題に対して作ったものです。

www.seichoku.com

 
作者について

瀬尾 ユウ 
自閉症スペクトラム疑いの3歳の子どもがいます。
(年齢が低く2021年時点では未診断)

発達障害を持つ子と、こどもちゃれんじ(いわゆるレビュー)

しまじろう、この世にいてくれてありがとう。

一言めから感極まってしまった。それくらい、我が家でやっている教育っぽいことは、こどもちゃれんじが軸です。発達障害のケがわかる前に入会したのだけれど、ウチの子には大変マッチしておりました。発達障害があるかな?って子に、ちゃれんじってどうなんだろう?って方もいると思うので、よかったこと、ウーンって思っていることを書いておきたいと思います。

なお、うちの子がどういう状態(特性)なのかがわからないと、参考にならないと思いますので、もしよかったら以下のまとめ記事もご覧ください。

yu-seo.hatenablog.com

 

ポジティブな所感(推しポイント)

ことばで伝わりづらいことを動画で学べる

「勝手にいつのまにか学んでた」みたいなのが少ないのが発達障害児。なので教えるしかないのだけれど、ことばで説明しても伝わりにくいわけです・・・。特に、概念は伝わりにくく、色々と工夫が必要な場合が多いように感じています。多い・少ないとか、〇〇のなかまとか。

ちゃれんじは毎号、動画教材がついてくるのだけど、その中に「ようすのことば」「うごきのことば」というコーナーがあります。これがとてもよい。絵では伝わりづらいことばも、アニメだとわかりやすいのです。たとえば「もらう」と「あげる」とか。絵だとどっちがどっちだか分かりづらいのだけど、アニメなら一目瞭然。

あと動画教材で感動したのは、挨拶。イヤ挨拶の教材なんて山ほどあると思うし、動画でなくても教えられると思うじゃないですか。しかしながら逆さバイバイに代表されるように、自閉傾向を持つ子には、案外これが難しい。「ただいま」って言ったら「おかえり」って返すべきところを「ただいま」「ただいま」になりがち。

そこを、以下のような感じで、誰がどうするべきなのかわかりやすく伝えてくれるんです。もちろん、実際の動画は棒人間じゃないし、オシャレな仕立て。

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あ~~~ベネッセ様~~~~~。もうちょいお金払うんで、発達障害児にもやさしい動画教材をもっと作ってもらえないですかね??発達障害児が苦手な時間の概念とか。時計の読み方ではなく、ついさっき と すごく前を混同したりするあの・・・あれです!どうやったら伝わるのかマジでわからなくて助けてください。

何より発達障害の子って動画なら集中してみません?うちだけかなあ?なぜ親の顔は見ないのに動画は・・・話がそれました。やめよう。

ソーシャル&ライフスキルレーニング的な教材がある

絵本冊子が毎号きます。ソーシャルスキルレーニング的な内容が多く、大変ありがたい。あとライフスキル的なやつも、よき頃合いを見計らってやってくれます。傘を持ち始める頃に、傘の持ち方を動画と絵本で案内してくれるとか。

イヤわかります。そんなんあっても傘は振り回しますよね(あれ・・・うちだけじゃないよね???)。しかしながら、視覚優位というのはスゴイもので、しまじろうが説明したことは映像で頭には残っているのです。

うちの子は、動画なしだと「傘!振り回さない!!まっすぐ持つ!!!」っていっても分からない・・・というか耳に入らないような感じでした。しかし動画を見た後は、「とりっぴいはどうやって傘を持っていたの?」とか言えば、ハッ!!!とした顔をして持ち直してくれます。うちの場合は聞いてくれるまでの時間が短くなったという感じ。

学びの順序がわかる/自動的に学習のテンポがとれる

定型発達の子と比べるのはナンセンスとはいえ、どういう順序で物事を教えるとスムーズなのかっていうにはすごく興味があります。ゲームでいうとスキルパネル。特定のパネルが開くと、次のスキルを修得できるようになる・・・みたいなやつです。

月ごとに届くもので、その順序の踏ませ方がタイムリーにわかるというのはとてもよい。それに、そろそろこの遊びをさせるべき・・・なんて考えて生きていられないので、考えなくてもよき頃合いで教材が届くのは最高です。

なお、「うちの子、ぜんぜんできないな???」っていう展開はまあまああるので、まあいいかってひとまず寝かせておくメンタルは必要かもしれないです。

モチベーションUPがじょうず

動画の終わりに、来月号はこんな付録が届くよ!ひらがなをかっこよく読んじゃおう!みたいなCMが流れる。これは離脱防止が狙いの1つなんだろうし、宣伝が多すぎるっていうネガティブな感想を持つ人もいるかもしれません。でもやらせようと思っても、自分の興味がないことはやらないのが発達障害の特性でありまして。まだかな~届いたらやってみよう!という気持ちを作ってくれるパートなんで、私はかなり嬉しいと思っています。辞めたいと思ったときは大変だと思うけれど。笑

 

ネガティブな所感

しかけ絵本の組み立てが大変

毎号しかけ絵本仕立ての冊子が届くんですけど、キリトリ線にそって親がはさみで切るとか、組み立てをするとかが必要でして、ものすごく面倒です。ピークは2歳後半!3歳になると多少しかけ具合が落ち着いてきます。

紙の付録が多い

紙の付録がスンゴイ多いんですよ。紙なんでそんなに丈夫じゃないし、数がおおいからどっかいきます。まあそれだけでもイヤだと思うんですけど、うちの子は「モノに執着する」という特性もち。あれがないといって癇癪を起こすわけで捨てられないしなくすと面倒だしアアア~!値上げしていいので紙じゃない素材に!していただきたい!

英語教材の紹介が・・・

最初に言っておきます。ベネッセぜんぜんわるくない。うちの子は、英語教材のコマーシャルを見て、「〇×▼◎※・・・えいごだよ~!」と宇宙語を話しだした。もうやめてくれ。日本語をしゃべってくれ。せめてエコラリアするならするで、英語をしゃべってくれ。

 

まとめ

うちの場合はネガティブ要素はあくまで親にとってであって、子どもにとってではありませんでした。ここまで書いてきて思ったのは、「皆にわかりやすい教材をつくる」と、発達障害児にもわかりやすい教材になるってことなんだな~と。

ベネッセ・・・。エクセレントカンパニーじゃないか・・・。DM多いとかいろんな意見があるのは知っているけれど、我が家は貴社無しでは立ちゆきません。

レビューというより推し紹介になってしまったかもしれません。申し訳ない。ともあれ、うちにはマッチしていたよという話でありましたが、ご参考まで。

うちの子について(3歳半現在)

このブログには、あくまで発達障害(グレー/疑い含む)の子を育てる上で、便利だったものとか作ったものについて書く場所にしたいと思っていまして、いわゆる成長日誌的なものはあまり書かない想定でおります。

・・・なのですが、発達障害というのは特性や困りごとの発露具合が人によって様々すぎるほど様々であります*1。なので、何かのアイテムを紹介するにしたって、どういう特性の子を育てていて便利だと思ったのかがわからないと、読んでくれている人が自分にとって便利なのかどうなのかを判断できないと思われます。

なので、うちの子の特性について簡単に書いておきます。

3歳半 現在の特性
  • 療育にかかるために医師の意見書が出ており「自閉症スペクトラムASD)疑い」。検査前のため未診断(診断マチ)。
  • 呼ばれても返事をしない。無視しがちで目が合いにくい。
  • 3語文以上出るが、エコラリアが多く会話が成り立たないことも多い。
  • 5W1Hの質問文に対して答えることが苦手。
  • 時の概念(昨日今日明日、さっき、このあと等)がよくわかっていない。
  • 1~20くらいの数と清音のひらがなは読める。
  • 場面切り替えが苦手。でも最近は頑張って切り替えている様子あり。
  • 知らない人にあいさつしがち。距離感とは。
  • 集団行動で勝手な行動を取りがち。
  • はじめてのこと、苦手なことは全力で回避する。失敗が嫌い。
  • ルールのある遊びをあまり理解できない(かくれんぼで、出てきてしまう等)。
  • 偏食。
  • 寝ない(大変苦痛なことに、毎日2時間半寝かしつけしている)。

*1:2013年から複数の発達障害の名前が自閉症スペクトラムに統合されたわけだけれど、果たしてスペクトラム(連続体)という言葉で説明がつくのだろうか。端っこと端っこではもはや似て非なるものと言ってよい気もするんだけれど・・・。シンプルな考え方になった反面、何も説明しない名前になったような気もするが、これは私が素人だからなんだろうか。